この日は重要な仕事がありました。

それは、珠洲市の飯田高校へ卒業生の制服をお返しすることです。

キレイな制服で、卒業式を迎えさせてあげたいと思った僕らは、飯田高校の村田先生(僕らがルートで回っている避難所飯田小学校の運営もされている)に、「卒業生の制服洗わせてくれませんか?」と持ちかけて、学校に呼びかけてもらいました。

生徒に呼びかけが出来たのは、25日日曜日。

卒業生80名のうち、珠洲の外に半分くらいは出てしまっている状況で連絡がとりにくいこと、3年生は、この時期に、もうほとんど登校することもないことから、26日月曜日のお昼までに、学校に持ってこれる人は限られていると言われていました。なので、もしかすると誰も出さないかもなとも思っていました。

それでも、月曜日になると3名の生徒が制服をクリーニングに出してくれました。

七尾のクリーニング師大森さんが、珠洲市の飯田高校へ卒業生の制服を取りに行ってくれて、それを金沢のクリーニング師、平木さんが「超最高のクリーニングさせて頂きます!」と、クリーニングを引き受けてくれました。

28日のルートまでに間に合うように、平木さんが27日の夜までに制服を仕上げてくれて、宮崎クリーニング社さんへ制服を届けてくれました。

28日高校へ伺うと、村田先生が生徒たちを連れて来てくれて、直接制服をお渡しすることが出来ました。

クリーニングをして、キレイに洗って仕上げた制服は見た目も着心地もまったく別物。

その服の気持ちよさを知って、社会へと飛び立っていってほしい。

村田先生にも、大森さんにも、平木さんにも無理を言って制服をクリーニングさせて頂きました。

コスト等で、普通に考えたら、割に合わない行動。

でも、なんで僕らがこんな事をするかというと、この支援で、洗濯で困っている人を助けたい、洗濯やクリーニングの重要性に気づいてほしいということもあるけれど、根本に「服を着る」ということをもう一度改めて考えてほしいという思いがあるからです。

「なぜその服を着るのか?」それを考えることは、暮らしをつくる重要なパーツの一つになります。

そこを多くの人に、この支援を通じて改めてもう一度考えてみて欲しい。

そんな思いも、この支援を続けている理由です。