この日は、支援活動のため石川県輪島市を訪問しました。

まずは、はるきクリーニングさんを訪ね、今回は、福島県の白英舎クリーニングさんと大阪府の宮地染工さんがご協力くださり、クリーニングを行ってくださった着物をお届けしました。

着物は、はるきクリーニングさんから持ち主の方へ届けていただく予定です。また、今回は新たに数点の着物をお預かりしました。その中には、能登半島から北へおよそ50km、日本海に浮かぶ舳倉(へぐら)島で被災した依頼品も含まれていました。津波によって倒壊した家屋から、ようやく取り出された着物だと伺っています(着物自体は津波の直接的な被害は免れたそう)

あわせて、前回の訪問時に相談されていた機械の不調について、機材商のシスト長野・中野さんに同行いただき、現地で機器の状態を確認してもらいました。その間には、今後の支援活動についてのミーティングも行いました。輪島市内で支援調整の窓口を担っているピースボートさんもお越しくださり、現在の状況を共有しながら、今後の支援について意見交換を行いました。

4月13日をもって、輪島市内のすべての避難所が正式に解消されました。地震から1年4ヶ月、豪雨から7ヶ月が経過し、地域はようやくすべての避難所を閉鎖し、これから本格的な復興と再建のステージへ。DSATは、発災直後から、石川県内のクリーニング店さんにクリーニングを担っていただき、その費用をみなさんからの支援金で負担する形で活動してきました。現地で対応が困難な場合には、能登から外に依頼することもありますが、最初から「現地の需要を奪わないこと」は当たり前に支援を続けてきました。今後もこの基本的な考え方は変わりませんが、より能登のクリーニング店さんが地域の方々へ認知されクリーニングを届けられるよう、また能登からクリーニング文化が消えないよう、後方から支えていけたらと考えています。

昼からは、町野町へ。これまでも伺っていた仮設住宅での洗濯物が乾きにくく、干す場所も限られているという洗濯環境の課題について、再度お話をさせていただきました。地域で共用できる乾燥機、いわば“公共乾燥機”のような形での設置ができないかを検討しているのですが、今回は自治会長さんにもお会いでき、改めてお話しをお聞きしてきました。現時点では実現できるかどうかは未定ですが、洗濯やクリーニングといった暮らしの基盤となるインフラに不便がないよう、なにかお手伝いができればと考えています。その後、もとやスーパーさんに立ち寄り、クリーニング済みのキレイになった古着をお届けし、帰路につきました。

また、今後は能登各地でDSATメンバーによる洗濯講座の開催ができないかと考えています。今回は、はるきクリーニングさんと町野町の双方で、講座実施に向けた相談も行ってきました。洗濯講座を受講することで、洗濯物の仕分けが適切になり、日々の洗濯の悩みが軽減され、暮らしが少し楽になるという実感を持っていただける内容です。加えて、「どんな衣類をクリーニングに出すべきか」も理解が深まり、住民の方にとっては洗濯や衣類管理への不安が減る一方で、地域のクリーニング店にとっても、適切なサービス利用が促されるきっかけになります。「うちの地域でもぜひやってほしい!」という声がありましたら、どうぞお気軽にお知らせください。

【被災地域の皆さまへ】

地震や水害の影響で、衣生活にお困りのことがありましたら、ご相談ください。

能登地域のクリーニング店さんが行う、必要なサポートにつなげさせていただきます。

また、被災により諦めかけた着物や大切な衣類の再生も支援を行っています。

【全国の皆さまへ|募金のお願い】

DSAT災害洗濯支援チームは、令和6年能登半島地震をきっかけに立ち上がったチームです。

被災地域のクリーニング店さんと連携し、地域の復興支援、被災された方々が「当たり前に衣類を着られる」生活のサポートなど、これまでにない形の災害支援活動を展開しています。

皆さまからの募金が、被災地の衣生活を支える大きな力となります。

ご支援をどうぞ宜しくお願い致します。